映画レポ: メイキング・オブ・モータウン

名称未設定映画レポ-メイキング・オブ・モータウン

「メイキング・オブ・モータウン」
http://makingofmotown.com/

クラブ通いしてたあの日何度も聞いたモータウンの音楽。
酔っていてもシラフでも不思議と踊りだして
ワクワクしちゃう大好きなモータウンの音楽。

モータウンの音楽は知っているのに、
モータウンの創業についての詳細は
まったく知らなかったので、見に行って来ました。

創業者のベリー・ゴーディ
デトロイトの車工場で得た工場製造ラインのノウハウで
音楽を作ってやろうって発想がすごい。
日本にも数々の機械工場があったはずなのに、こうはならない…。
音楽好きの南の移民労働者で賑わっていたデトロイトの町の歴史でもあり、
アメリカの音楽と社会と歴史は密接している。

ベリー・ゴーディとスモーキー・ロビンソンの二人がずっと
キャッキャッしながら楽しそうに嬉しそうに創業時の事を話しているのが、たまらなかった。
こんなに楽しんで仕事していたから、いい音楽が作れたんだなと。
ベリー・ゴーディ今もご健在で、90歳!!!
す、すごいな…生きる伝説…
楽しんでないとあんなハードな時代を超えて、
こんなに長生きできない(笑)。

ベリー・ゴーディが、魅力的な音楽を作る時に魅力が足りない部分を
“魔法が足りないっ“と言ってたのがすごく、ぐっときた。
目に見えないけど人の心を動かす事は魔法そのものだと。
最初の10秒で、私はまんまと魔法にかけれていた。

大きくはない一軒家で、スプリームス、マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダーが
音楽作っては録音し、マイケルジャクソンがオーディションに来てたの?嘘でしょ?!と。
劇中にも、「あの時のモータウンはまるでディズニーランドのようだった」っと。
日本ならトキワ荘じゃないか。

どのアーティストも、皆マーヴィン・ゲイに憧れていた。
マーヴィン・ゲイってモータウンの中でもやっぱすごい人だったんだ。
夢のある音楽を作る事にこだわっていた、ベリー・ゴーディの反対を押し切って売った、
What’s Going On。
アメリカのベトナム戦争と人種差別で情勢が激化する中、
マーヴィン・ゲイが新しい時代に挑戦した反戦と平和を願う曲。
これが日本語訳つきで流れてきた時には胸がつまる。
そんな事なんにも知らずに、さすがマーヴィン・ゲイ歌うめー
ぐらいの感じで酔っ払いながら聞いてたあの日の自分に教えてやりたい。
そーいう歌じゃないと…。

今回の映画はこの70年代ごろから先はかなり省略されて終わっています。
モータウンについてあまり詳しくない人が見ちゃうと
凄まじい速さで字幕が流れていくので、ついていけないかもっ?
という内容でしたが、知ってる人はたまらなく幸せになれる映画。

あの一軒家から生まれた音楽は今後もずっとPOPミュージックの基礎である事は間違いないし、
あの時代に黒人、白人、子供、大人、女性、すべて平等に尊重されて
働いていたモータウンの環境。今でも一歩先行ってる気がします。
ベリー・ゴーディすごい人だったわ…。

イラストはキャキャキャしてるじっちゃん2人と
もう可愛さが爆発してた、スプリームス!